「この歯は抜くしかない」を信じるな
50代の男性は、前歯に鈍い痛みが出たので、近所の歯科医院をネットで探した。大学病院の勤務経験がある歯医者は、最新のCT検査を行った後、男性の目を見据えて診断を告げた。 超音波スケーラー
「あなたの症状は歯根破折と言って、歯の根にヒビが入っているのが原因です。これは抜歯するしかありません。抜いた後は、インプラントがいいでしょう。私は大学病院で経験を積んでいますので。費用は1本約45万円です」
身体の一部分を失う抜歯は、患者にとっては一大事。それなのに、歯医者は何のためらいもなく、歯を抜いてインプラントにすることを勧める。その姿勢に違和感を抱き、男性はセカンドオピニオンを受けることにした。 口腔内カメラ
「軽度の歯根破折なので、接着という方法で治療できますよ。まだ、歯を抜かなくても大丈夫です」
なぜ歯医者によって診断がまったく違うのか。男性は納得できなかったが、セカンドオピニオンの歯医者に治療を依頼した。結局、抜歯することもなく、費用もインプラントより、格段に安く抑えることができたという。
あまり知られていないが、「抜歯に明確な基準はない」。歯を抜くか、残せるか、担当する歯医者によって変わってしまうのが現実だ。
現在では、治療の選択肢をすべて説明するのは、医療側の責任であり、どれを選ぶか、決定権は患者にある。しかし、なぜか歯医者だけは、自分の診断が唯一の正解だとして、押し付ける傾向が強い。
仮に「抜歯しかない」と言われても鵜呑みにせず、まずセカンドオピニオンを受けたほうがいいだろう。
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