咬み合わせ(咬合)のこと
私は認知症専門の精神科医としてはいくつか論文を書いてきましたが、歯科医師としては業績がありません。しかし診療所のデータには結構、咬み合わせが悪くなった人の認知症が悪化する経過が記録されていますので、そのカルテから例を挙げてみましょう。 歯科レントゲン
上下の歯の咬み合わせが10本までの人(50人)と、20本までの人(50人)の認知症との関係について時間の経過とともに追いました。 家庭用・歯科用超音波スケーラー
厳密な意味での科学データとまではいきませんが、結果として上下の歯の咬み合わせが残っているほうが、少ない人と比べて認知症の進行が遅くなるという結果が出ました。もちろん、自分の歯がそろっていて咬み合わせができることが理想ですが、たとえ自分の歯でなくとも、入れ歯(義歯)やブリッジ、インプラントなど、咬み合わせを回復することで、効果が出るという印象を私は持っています。
このようなことがわかると、歯科はとても大切なリハビリテーションの重要ポイントであることが再認識できるでしょう。時に介護の世界では入居している人の義歯(入れ歯)が合わなくなっていて、「もう、意味がないから食事の時にはいつも入れ歯を外して食べてもらっています」という意見を介護職から聞くことがあります。合わない義歯を無理につけるのは本人にも良くないことです。できれば在宅療養支援歯科診療所という訪問診療をしてくれる歯科医に相談して、できる限り義歯による咬み合わせの回復(入れ歯にすることで咬み合わせができるようになること)を目指す努力も求められます。
次回は同じ歯科領域でものみ込み(嚥下・えんげ)の話と、口の領域に出やすい症状について述べたいと思います。
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