治療活用、高いハードル
京都大チームが発見した新しい化合物は、胎内にいるダウン症のマウスだけでなく、ヒトのiPS細胞を使った実験でも効果が見られた。もし出生前のダウン症の治療薬が実現すれば影響は大きい。国内では出生前診断を受けて染色体異常が確定した人のうち、90%以上が中絶に至っているとされる。治療の選択肢が示されれば、こうした状況に変化が起こる可能性がある。 超音波スケーラー用チップ
研究チームは新化合物を「アルジャーノン」と名付けた。米国の作家ダニエル・キイスの小説「アルジャーノンに花束を」も意識したという。この小説に登場するアルジャーノンは、脳手術を受け高い知能を得るネズミの名前。ところがこの手術には、やがて知能を失う欠点があるというあらすじだ。 歯科研磨機
今回の新化合物にも課題はある。ダウン症は、複合的な疾患群だ。知的障害のほか、合併症として心臓病や聴力障害などを伴うこともある。アルジャーノンが神経幹細胞の増殖を促しても、先天性の心疾患が改善するわけではない。
創薬に向けたハードルも高い。臨床研究にまで至った場合、健康な妊娠した女性に薬を飲んでもらう必要があるからだ。
日本ダウン症協会は「障害は子どもの個性の一側面」として捉えている。ダウン症を「病気」として「治療」すべきなのか。新たな議論が必要となる局面も、いずれ来ることになるかもしれない。
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